雪の街だより 高田在住の弁護士馬場秀幸のブログです

9月 6日 安倍政権、若者の支持率が高かったのはなぜ?

2020.09.06

 文筆家鈴木涼美さん(37歳)の分析。

 「安倍さんが長く支持されるに至った強みは「かわいさ」だ。坊ちゃん育ちの保守政治家で、エリート左派のような冷たさがない。政策とは別文脈で人間的にチャーミングだと思わせる魅力があったのだろう」「疑惑や失敗が大きなマイナスにならなかったのは、彼の求心力が有能さや信念ではなく「かわいさ」に基づいていたからだ。舞台で転んだアイドルに声援を送るように、無条件の支持が集まった。」「安倍さんの掲げた改憲に抵抗を示さない若者は思想として保守化したというより、「時代に合った新憲法を自分たちでつくるのは当たり前のこと」と素朴で無邪気な反応が多かった。」「SNS時代は、そうした社会問題を告発する切実な声と、「安倍さん頑張っている」といった「ゆるふわ」な声が同列に並ぶ。批判ばかりのリベラル野党は「うざい」「エリートのきれいごと」と思われているのを、自覚しないと。」(朝日新聞2020.9.6、鈴木涼美「「かわいさ」に基づいた求心力」)
 
 護憲派にとっては耳の痛い言葉ですが、自分たちの主張を相手がどのように受け止めているのかを理解することは大切なことと思います。それをしないと主張が空回りしてまったく意味がないことになりますから。
 鈴木さんの若者意識の見立てはその通りと思います。護憲派は、「批判だけのエリート左派」を是非克服してほしいと思います。ただ、鈴木さんのいう「時代に合った憲法を自分たちでつくるのは当たり前という感覚」には、その通りとしてもやはり危機感を覚えます。私たちは本来歴史的存在で過去を背負いながら未来に向かって生きている。過去を切り離して今だけ考えれいいんだという考えは違う。そう主張したい。それも「冷たさ」を超えて「熱い」と思われるように。そのためにどうしたらいいんだろう?困難な問題かと思います。

馬場秀幸  カテゴリー:その他